3日限りのルームシェア
「ああーあれね。大学生の時のあれにはちょっとした理由があったんだ。
彼女たちとはつきあってなかったよ。本当に・・・・っていうかさっき知香ちゃん
『樹さんはかっこいいから女の人の方がほっとかない・・・』って言ったけど知香ちゃんもそうなの?」
樹は知香の顔を見つめるとにっこりと笑った。
「え?」
「だから、知香ちゃんも俺の事気になってた?」
えええええ?なんか話が違う方向にいってるような気が・・・
「ええ?ち・・・違います。あ・・あくまで、一般論です・・・ははは」
なんでそこを突っ込まれるんだ?
女を連れ込まれるのは困るから、それは辞めてよね。
って事を言いたかっただけなのに話は脱線していた。
「知香ちゃんはそう思ってないんだ・・・・」
樹は背中をがくっと落として寂しそうな顔を知香に向けた。
そ…その表情が反則なんだよ!
知香自身もがっかりしたくなる気持ちを抑えあくまで笑顔で
「私も樹さんはかっこいいから素敵だなって思ってますよ」
もうこれ以上この話を大きくしないように作り笑顔で答えた。
その言葉を信用したのか樹は急に笑顔になり
「ありがとう!大丈夫だよ。絶対に知らない人は連れ込まない。
知香ちゃんがいるんだから・・・」
またまた反則笑顔を知香に見せた。
しかも知香がいるからって・・・そんなに私は怖いのか!
妹の親友が怖い管理人みたいだからか?
なんとも最後の言葉が気になったがそこは聞かなかった事に
しようとした。
そんな知香の気持ちなど知らない樹はイケメンスマイル全開で
知香を見つめた。

やっぱりビジネスホテルに泊まってもらえばよかったと
後悔する知香だった。
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