3日限りのルームシェア

料理も出来るイケメン

「樹さんの部屋はこちらになります。」
知香は樹を6畳の洋間に案内した。
部屋を開けるとそこには梓が実家から持ってきた布団のセットと
元ルームメイトが置いてったラグが敷いてあるのみだった。

「すみません。ホテルじゃないから・・・何にもないんですけど・・」

あまりにも殺風景な部屋に申し訳ない気持ちになった。
「気にしないで・・・知香ちゃんが綺麗に掃除してくれたんでしょ。
それだけで十分だから・・・」

うれしい事言ってくれるじゃない・・と、そこで言い忘れた事に気がついた。

「すみません。ご飯なんですが、家賃をたくさんいただいたので
もし、差し支えなければご飯は一緒に食べませんか?
一人分を作るより2人分の方が楽だったりするんで・・」

あんなにたくさん家賃をいただいて。
はい、どうも。って訳にもいかないと思っていたので最初から
ご飯の事は言おうと思っていた。
だが、樹は黙ったまま。
言わない方がよかったかな?
知香は自分の言ったことがとても大胆だっと慌てて訂正しようとした。
「あっ!いいんですよ。無理して食べていただかなくても。
そうですよね。日本は久しぶりなんだから、ご飯を食べたい相手とか
いらっしゃいますよね。・・・アハハハ」


「ありがとう!」
「え?」
樹は再び例の反則スマイルで喜びを表現していた。
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