3日限りのルームシェア
「はぁ~・・・なによあれ・・・反則だよ。」
今日何度目の反則技を樹は使ったのかと
知香は溜息をついた。
でも別にわざといやっているわけじゃないからタチが悪い。
知香は湯船につかりながら風呂上がりの樹の姿を思い出していた。
風呂上がりの男の姿を見たことがない訳ではない。
過去に何人かの男性と付き合ったことがある知香だから
あんな姿珍しい事でもないのだが、
樹の姿はレベルが違っていた。
男の人をみて色っぽいなんて正直感じたことなかったため
思わずため息が漏れる。

樹がイケメンというのはわかっていた。だけど自分とは無縁だと思ってた。
知香にとっては単に梓の兄ってだけでそれ以上でもそれ以下でもなかった。

でも久しぶりに会った樹は、自分が思っていた樹のイメージが
みるみるうちに崩れていった。
やさしくて、料理が上手で、女の人から電話やメールが来る気配もなく
極めつけがあの風呂上がり姿。
樹と再会してから数時間仕方っていないがどうしてもいい人にしか見えない。
イケメンでいい人でセクシーって・・・・
そんな男がこの世の中にいるのか?そんな完璧な人間が存在するのか?

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