3日限りのルームシェア
「ちかちゃん」
「マスターごめんね。梓がまだ来ないから先に注文するね。私はアメリカン」
「僕はホットで・・」
マスターはにっこり頷くと
「そうそう、そのあずちゃんだけど・・・さっき来てすぐに帰ったわ」
「はぁ?帰った?」
樹がびっくりしたようにマスターを見た。
「あんたたち2人がとてもお似合いに見えて、2人の邪魔はよくないと
思ったみたいだったよ。」
知香はカバンからスマホを取り出すと梓に電話をかけた
だが・・・・
「・・・・電源はいってない・・」
知香はがっくりと肩を落とした。
だがそんな知香の肩をマスターが軽くたたく
「こんなイケメンと2人きりで過ごせるんだからそんな顔してちゃだめだぞ」
「・・・マスター」
全身から力が抜ける。
「今日は天気もいいんだ。コーヒー飲んだら2人で出かけておいで」
知香はちらりと樹を見た。
「でも・・・樹さん・・私とじゃーつまらないんじゃ・・・」
すると言葉の途中で
「知香ちゃんがよければデートしない?」
樹が美しい笑顔で知香に話しかける。
知香の顔は一気にゆでダコの様に赤くなる。
「それがいい!二人でデート、デート」
すかさずマスターのフォローが入り
知香は首を縦に振った。
「じゃあー。コーヒー淹れるからちょっと待ってて」
とカウンターへと戻っていった。

「あ・・あの・・・本当に私となんかでいいんですか?
他に一緒に出かけたい相手がいたんじゃ・・・」
「知香ちゃんがいいんだ」
真っすぐと知香の目を見て話す樹に知香は
「・・・じゃあ・・私でよければ・・・・お願いします」
消え入るような声で返事をした。

そんな2人の様子をマスターとカウンターの下で隠れていた
梓はガッツポーズをしながらで見ていた。
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