3日限りのルームシェア

「え?」
「え?」
2人の声が重なった。
それもそのはず
帰り際、マスターから意外なものを差し出された
それはなんと車のキーだった。
「こ・・これは・・・」
するとマスターはにっこり笑い
「これはお節介親父のお節介さ。デートしたら?って
俺が言っちゃたんだからこれくらいさせてくれ。」
二人は戸惑いながらもマスターから鍵を受け取った。
「マスターありがとうございます。お言葉に甘えて
お借りします。」
樹は車のキーを握り締めると知香を見て微笑んだ。

「またマスターに借りができちゃったかも・・・
車のキーは営業時間内に返します」
と言うと2人は店を後にした。

カウンターの下に隠れていた梓は
2人の姿が見えなくなると
立ち上がった。
「マスターやるじゃん!」
するとマスターは得意顔で
「若い人のお節介よりも、年寄りのお節介の方が
人っていうのはすんなり受けるもんなんだよ」
「さすが」
するとマスターはにっこり笑った。
「ほれ、あずちゃんはイスに座っておじさんの淹れたコーヒーでも
飲んで頂戴」
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