３日限りのルームシェア
店を出他ふたりは
マスターの車の前で思わず立ち止った。
マスターが貸してくれた車は2人乗りの赤いスポーツカーだった。
「すごいね・・・これ・・」
「そ・・そうですね・・・」
もっとコンパクトな車だと勝手に思い込んでいた樹たちは躊躇しながらも
車に乗り込んだ。
「知香ちゃん。リクエストとかある？」
「え・・・・特別ここに行きたいって
ところがパッとでてこないんだけど・・・」
すると樹は少し考えて
「じゃあさー俺のおまかせでもいい？行きたいところがあるんだ」
「は・・はい」
すると樹はとびっきりの笑顔でありがとうと言い、車をゆっくりと
発進させた。

車で走ること1時間。
着いたの海だった。
夏だったらきっと海水浴で賑わうのだろうが、季節外れのせいか
今海にいるのは樹と知香だけだった。
「海は・・嫌い？」
「いえ・・・好きですよ。私はどちらかというと、泳ぐよりこうやって
見てる方が好きです。」
肩まで伸びている髪が風にのってなびくのを手で押さえながら
知香は海をじっと見つめていた。
そんな知香の姿に樹はドキッとした。
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表紙・目次

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