３日限りのルームシェア

「あ・・あの・・樹さん？」
ほんのりと赤く染まった顔が可愛くって思わず返事もせずに
見いってしまった。
「・・・樹さん？」
名前を２回呼ばれ我に返った。
「あっ・・ごめん・・どうした？」
慌てて返事をしたものの知香はなかなか次の言葉を発せられないでいた。
「・・・・ちーかちゃん？」
「あっ・・・ごめんなさい。・・いいんですか？私となんか一緒にいるより
　その・・・好きな人に会った方が・・・・もっと楽しかったんじゃ…」
知香の頭の中は樹の好きな人の事でいっぱいだった。
なんて聞けばいいのかわからないけどなんとなく声をかけずには
いられなかった。そう思った時
「おまたせ～～」
慶太と雪音がハンバーグとタンシチューをトレーに乗せて
意味深顔で運んできた。
「知香ちゃんにはタンシチュー、樹は・・・ハンバーグ」
「こちらはパンとサラダです」
続いて雪音がパンとサラダをテーブルに置く。
やっぱりこいつらの前で好きだとかは絶対言えないと思った。
知香は目の前の料理に目をキラキラさせていた。
「おいしそう～～・・・いただきます」
樹もつられていただきますと言ってフォークとナイフを手に取り
食べることにした。