3日限りのルームシェア

告白の予感

それから2人は雪音たちの店を後にした。
車内はラジオから流れる音楽と
とぎれとぎれの2人の会話。
それぞれ思うことは同じだ。
樹は・・・いつ話そうか
知香は・・・いつ、聞こうか・・・
でもどちらも最初の1歩がでてこず、時間だけが無駄に過ぎる。
樹の予定では雪音たちの店を出てからの予定は未定だった。
車を借りてる手前、あまり長時間借りてるのも悪い気がしたからだ。

知香は知香で次に向かう場所で話せる雰囲気であれば
聞いてみようかといった感じだった。
「知香ちゃん・・・」
「はい!」
げ!めっちゃ元気に返事しちゃった。はずかしい・・・・
「ハハ・・まだ元気が有り余ってるみたいだね」
「いえ・・・その・・・」
もう・・・はずかしい・・・
「ごめん・・・っていうかさ・・・俺とずっと一緒にいて
疲れてるんじゃないかなって思ってさ・・・。
もし帰って休みたいならこのまま車を返して帰ろうかと思って」
どうしてだろう・・・帰ろうと言われて帰りたくないって思ってしまった。
知香が返事に困っていると
「…やっぱ疲れたよね・・・帰ろうか・・・」
少し寂しそうな樹の声が聞こえ
「まだ!帰りたくない」
とっさに出た言葉に知香本人も驚いていたが
それ以上に樹も驚いていた。
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