3日限りのルームシェア
「知香ちゃん。今回は無理言って本当に悪かったね。
3日間とはいえ急な頼みで怒ってないかちょっと不安だったんだ」
申し訳なさそうな顔で見つめられたら
嫌でもいいですよと言ってしまうではないか!
だーかーら
美男美女って言うのは得なんだよ。ずるいんだよ。
きっと梓も樹さんもその笑顔で苦難を軽々と乗り越えたんだろう・・・
あぁなんて理不尽なんだ!と知香は心の何で叫びつつ
表向きは
「いいえ~~気にしないでください」
と笑顔を装った。

樹はバッグから封筒を取り出すと知香に差し出した。
「早速だけどこれ・・・家賃ね」
知香はその封筒を両手で受け取った。
「中身確認してね。梓から聞いてた金額と違っていたら困るから」
知香はちょっと気がひけたが封筒の中身を覗き込むように確認した。
なんてったって3日間しかいないのに家賃1カ月分とか
普通はあり得ない。

間違っちゃ困るが、知香が1カ月分と提示した訳ではない。
梓が1カ月分だしてもいいからと言ったからこうなったんだ。
知香はお金を数えながら、自分が言ったんじゃないと
念仏のように心の中で唱えていた。

「・・・確かにいただきました。ありがとうございます。」

本当にありがとう。助かりますだ。
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