3日限りのルームシェア
「えええええ!」
リビングに知香の声が響く。
「ごめん!やっぱり頼めるのは知香しかいないのよ。」
1年前にも同じ会話をした様な・・・・
じゃなく。会話をしたのよ!(詳しくはプロローグを・・・)
「別にいいけど・・・」
といったものの内心穏やかじゃない。
梓のことだからとんでもない頼みなのだろう・・・でも仕方ない

「本当に突然で申し訳ない。流衣(るい)は知香の事よく知ってるし
大丈夫・・・・だと思うけど」
奥歯に物が詰まった様ないい方に????とおもった。
「何よその言い方・・・なんかあるみたい」
「実はさ・・・流衣ってめちゃめちゃ兄貴が好きなのよ。
兄貴が海外赴任してた時も流衣とskypeするくらい仲がいいの」
「だったら問題ないじゃない。」
可笑しなことを言うなと思ったが
「そこが問題なのよ。私、兄貴の恋人が知香だって事言ってないのよ」
それが何だって言うの?
「だったら言っといてよ。もしかすると私の姪っ子になるんでしょ?」
すると受話器から溜息が聞こえた。
「流衣って兄貴の前だと女なのよ」
「女?」
言っていることがわからなかった。
「私が思うに知香に敵意を持つかもしれないって事。あの子の夢ってさ
兄貴のお嫁さんになることなのよ」
う~~なんとも子供らしい夢だこと
なんて言ってる場合じゃなさそう・・・・
「ま~さ。結婚前の試練だと思って頑張って。」
そういうと電話は切れた。

明後日、梓の結婚記念日で久しぶりに旦那さんとデートをしたいから
娘の流衣ちゃんを1日だけ預かってほしいというお願いだった。

近い将来、梓とは親戚になる。
そうなれば流衣ちゃんは姪っ子になるんだからいい機会かもしれない。
だけど・・・・
まさか流衣が最大のライバルになろうとは・・・
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