あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
09 〈魔女の証〉
次の日、目がさめると何やら城の中がバタバタとしていた。
何事⁉︎
こんなに騒がしくしているのに、呑気に寝ていたあたしはどんだけ神経が図太いんだか。
でも、それは……昨日カカオがあたしのベッドで一緒に寝ちゃうからだ。
そのおかげで、朝方に目が覚めてから、一度も眠れなかったもの。
心臓が爆発しそうだった。
朝食の時間まであと少しなので、さすがにベッドの隣にカカオはいない。
あの後、二度寝をしたあたしが目覚める前に部屋を出たのだろう。
ベッドを出て、壁を見ると、そこにクコが用意してくれたのだろうワンピースがあり、ハンガーを外すと袖を通す。
クコがこの時間帯に部屋に来ないなんて珍しい。
何かあったのかな?
それに、今日はちゃんと訓練いかなきゃ。
部屋に備え付けられている洗面所で顔を洗い、花の香りがするやわらかい布で顔を拭くと髪を整えて部屋を出た。