あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
訓練を終えたあたしは、廊下で控えていてくれたクコと共に中庭から食堂へと向かう。
迷路みたいに広いお城だけど、もうだいぶ慣れてきた。
今日のお昼御飯は何かなど、たわいもない会話をクコとしていると。
〈まお!〉
「あれ、シュガー。 どこにいたの?」
転がるように駆けてきたのは、黒猫のシュガー。
あたしが訓練してるときは、大抵一緒にいるんだけど……今日はいなかった。
……なにかしてたな。
「シュガー? 今日は、訓練日よね? それなのに……なにしてたの?」
〈別になにも〉
「…………」
〈な、なんだよ〉
「じゃあ、その口元についてるものはなに?」
〈あっ〉
そういって口を押さえたけど、もう遅い。
だってそこには、ナッツが付いてたの、あたししっかり見たんだから!
しかもシュガーは黒い毛だから、めちゃくちゃ目立ってたし!
一発でバレてるよ。