あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
11 揺レル想イ 〈カカオSide〉
***
俺は、戦場にいた。
今回のオスガリアの兵士は、普段の倍で武器も過去の物と比べれば、格段に強力なものだ。
俺は、護衛隊の第一部隊を連れ、先頭に立ち、魔術師を仕切った。
俺の方にばかり、進軍してくるのは、すぐにわかった。
俺はウェズリアの指揮官的存在だ。
俺を捕らえるか、討ち取れば、ウェズリアはオスガリアのもの。
しかし、オスガリアになど渡すわけにはいかない。
このウェズリアは、魔力を持つものたちの唯一自由に生きていける場所だから。
そのサーチェルには、ウェズリアとオスガリアとルクティア、三つの界がある。
ウェズリア以外にも、魔力を持って生まれてくる子供は少なくはなかった。
魔力を持って生まれてくると、親でさえもその子を忌み嫌い、バケモノ扱いする。
「奇妙な子だよ! 近寄るな!」
「おい! なんだかいきなり風が吹いて、吹き飛ばされた!」
「気持ち悪い!」
「近寄るな!! バケモノ!」
『バケモノ』
その言葉が、どれだけその子を傷つけているのかも知らないで……人間など、自分勝手だ。