あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
私情を挟むことは許されない。
もともと俺にはこういった政略結婚が来るはずだったのだ。
何が悪いのだろうか。
この胸の奥のモヤついた感情は……なんなのだろう。
〈……王子よ、大丈夫か〉
「……ああ。 ただ──少し、ゆっくりしたい」
〈……承知した〉
俺の言葉に、ボルトは頷き、歩み始めた。
向かうは、オスガリアの城下町だ。
あそこは今、人の住める状況ではなく、人通りはないだろう。
俺たちは、城の門から城下町へと向かっていった。
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