あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
「それで? 返事はどうするの?」
カカオは深刻そうな表情を浮かべて、書斎のソファにドサリと座り込む。
「……そう簡単に出せる答えではない」
国を守るために姫と結婚するか、それともその結婚を断り、オスガリアと全面戦争をするか……。
国を守るためなら、結婚をするべきだろうけど、それだとカカオの自由はなくなることを意味する。
「……まお」
「なに?」
「しばらくは、オスガリアに定期的に通い、様子見をしようと考えている」
「……そっか。 カカオが決めたことなら、あたしはどんなことでも協力するから」
あたしはカカオを真正面から見つめ、強く言った。
これだけは、揺るがない。
決めたこと。
「じゃあね。 決めたら、教えて。 あたしはちょっと退散するよ。 少し一人で冷静になって考えたいでしょ」
「ああ、すまないな。 ありがとう、そうさせてもらう」