あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





 それからカカオは、定期的にオスガリアへと出かけていき、ローズ姫との逢瀬を重ねていた。


 時が経つにつれ、カカオと会う時間はどんどん短くなっていく。


 気づけば、三日以上会わないことなんて、当たり前になっていた。


 同じお城に住んでいるのに……。


 カカオが出かけていくたび、どうしようもなく、胸が締めつけられた。


 それなのに、カカオへの想いは膨らんでいくばかり。 


この想いは、よくばっちゃダメだって、望んじゃダメだって、わかってる。


 あたしはなんとか、その気持ちを抑えようと、訓練に没頭した。


 それでも……。


 もう、自分じゃどうしたらいいか、わからない。




 ただ、好きなの。


 カカオが、好きなの……。


 この気持ち、とめられないの……。



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