あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





 そういって中庭に来てみたが……。


 とくにこれといったものはない。


 あるとすれば、まおが休憩のために使うベンチとテーブルとパラソルがあるくらいだ。


 シュガーも辺りを探って、だいぶ奥の方へと入って行った。


 ここの中庭は、とてつもなく広い。


 初めての人や、慣れていない人だと、必ず迷ってしまう。


 それでも、なんとしても何らかの証拠を探さないと……。


 
「ん……?」



 そのとき、視界のすみで何かが光った。


 なんだ、これ。


 木の下に何かがあった気がして、俺はしゃがみ込んで取った。


 それに、思わず絶句してしまう。


 俺が拾い上げたそれは……。


 見覚えのあるブルーベリー。


 オスガリアの姫と一緒に狩った……。



「まさか……?」



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