あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
イヤな予感がした。
しかも、見間違えるはずがない。
あんなにイヤというほど見せられたブルーベリー。
他のブルーベリーと違って、少し赤みを帯びていて頂点が星の形になっている。
少し押し潰したような形のブルーベリーだ。
「なんでこんなものが……」
「何か見つけたのか?」
ブルーベリーを片手に呆然と立ち尽くしている俺に気づいたシュガーが不思議そうな顔をして近づいてきた。
そして、俺の手の中を見て驚いたような顔をする。
「なんだ、これ。 ブルーベリー? これ、この国には育たない種類じゃないか?」
「……俺はこのブルーベリーをオスガリアで見た」
「っ!」
「しかも、このブルーベリー……オスガリアの城の敷地内でしか、育たない種類らしい」
「……まさか」
「……そのまさかだ」
驚くシュガーに、俺は厳しい顔で頷いた。