あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
天使の強すぎる力を恐れ、いつか反逆を起こすのではないかと危惧した王族が天使を捕らえたのだ。
天使は、国のため、王族のために必死に自らの命を削ってまで力を使っていたのに。
そして、天使はオスガリアを去った。
それと同時に、天使の加護をなくしたオスガリアは、全ての植物と水が枯れた。
国民は、天使の祟りだと、王族に反乱を起こした。
「助けてもらっていたのに、どうして追放したのか」と。
けれど、王族は聞く耳を持たず、反乱を起こしたものたちを捕らえ、処刑した。
すると、より一層オスガリアの環境は悪くなり、とうとう住むことさえ困難になったのだ。
このままではいけないと危惧した民達がいくら環境を整備しようとしても、王族が動かないため資金も何もない。
そこで、王族は考えた。
『天使と同じような力を持つと言われているウェズリアを、侵略しよう』と。
ルクティアは、遥か上空にあり、天使や神以外には見ることさえもできない。
だから、国民が圧倒的に少なく、領土もそこそこのウェズリアに目を付けたのだ。
侵略できなくても、不可能を可能にするといわれているウェズリアの魔術師を使って、オスガリアを復活させればいい──。
なぜ、オスガリアに天使がいたのかわからない。
どこへ行ったのかさえもわからない。
けれど、伝えつづけられている。
オスガリアは、天使に呪われていると──。