あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。


そういえば、あの姫の持っていたピアスに、どうしようもなく既視感を覚えていた。


そう、それは、地球にいた頃、あたしがまだ普通の女子高生だった時。


美人の同級生が身につけていたピアスにそっくりだ。


その同級生が目の前にいる。


「紗桜! 紗桜じゃない!」

「うわー、久しぶりね! 会いたかったわ!」


 そういった紗桜は、再びあたしに抱き着いた。


「……まお、知り合いか?」


 状況を飲み込めないでいるカカオが、あたしの肩を叩く。


「えーと、この子は西園寺 紗桜(さくら)といって……あたしが地球にいたときの親友なの」

「地球の? なぜ、サーチェルにこれたんだ?」

「あたしもビックリしてて……意味がわからなくて……」


 そういいながら、あたしは紗桜のされるがままだ。


 一番驚いているのは……。


「て、んしさま……?」


 紗桜を召喚した、ローズ姫だった。



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