あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「天使は金の瞳を持っているの」

「へぇー。 ……あれ? じゃあなんで紗桜、片目は青なの?」



 青い目は、魔力を持つものの証なのに……。


 すると、紗桜はまたニコッとする。



「なんか私、魔力も持ってるみたいなの」

「へええぇ!? そうなの?」



 そ、そんなのあり⁉︎



「両親がウェズリアのものじゃなくても、魔力を持って生まれてくるものもいるからな」



 カカオはまるで知っていたというふうに、平然としている。



「だから私、天使の力も魔力も使えるのよ」



 ……最強じゃないっすか、紗桜さん……。



「なんで……わたくしは……わたくしは……」



 三人で楽しく話していると、ローズ姫がどこを見てるのかわからない虚ろな目で、ぶつぶつなにかをつぶやいている。




「姫のこと、どうするの?」

「そうだな……」

「私に任せて」




 そういった紗桜は翼をひきずりながら、姫に近づいた。




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