あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「では、これでもうウェズリアはオスガリアに襲われることはなくなったのですね」

「ああ」



 カカオがようやく、つぶやいて微笑んだ。



「皆心配してくれてありがとうな。でも、もう大丈夫だ。 まおと、その親友の天使紗桜さまのおかげで、ウェズリアはもう、オスガリアに襲われることはない」



 カカオがそう言い切ると、わぁっと軍隊の後ろの方で歓声が上がった。


 そこには、誰か友達らしき人と飛び上がって喜んでいるクレアも見えた。



「さぁ。 これを国民にも早く知らせてあげなければならないな。 いつも、オスガリアに襲われ、またいつ来るかわからなくて、怯えて過ごしていたのだから」

「そうだね」



 そういって、優しい表情を浮かべたあたしは、彼に向かって微笑んだ。


 すると、隣にリカエルさんが出てきて、頭をたれる。



「それでは、私は早く城に戻り、その準備をしましょう」



 リカエルさんは、数人のメイドと衛兵を連れ、先に瞬間移動して城へと向かった。



「お前たちも、今日は帰っていいぞ」

「え? いいんですか?」

「うおっしゃあぁああっ!!」

「娘に会えるぞ!」



 カカオの許しを得た魔術師たちは、喜び勇んで家族のもとへと帰って行った。





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