あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
そして、オスガリアと接している森の端には、あたしたちだけが残された。
「……行っちゃったね」
「ああ」
使い魔たちは、もう既に城へと帰っている。
あの後廊下にいた兵士たちを全てうまく惑わし王座の間に近づけさせないでいてくれたんだから、相当力を消耗したのだろう。
一刻も早く寝たいと言われ、先に転送魔方陣で部屋へと送り届けた。
そんなこんなで帰る手段も他にはないので、あたしたちはたまにはいいか、と歩いて帰ることにした。
「本当に、いろいろあったね」
「本当にな。 最初は、まおが召喚されていたときは、驚いた。 魔女を召喚する儀式は行ったが、ウェズリアには現れず、術は失敗したと思っていたんだ。けれど、オスガリアの方から強力な魔力を感じて行ってみたら、まおがいたんだ。 まさか、オスガリアにいる少女が魔女だとは思わなかった」