あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
「それに、瞳が青いことが魔力を持つ証であるといいましたよね? その瞳の色が濃ければ濃いほど、魔力が強いと言うことなんです」
そういったモルガさんの瞳は、たしかにカカオと比べれば色味が薄く、グレーに近いようにも見える。
「さらに持つ魔力の特性によっても、瞳の色味が変わるんです」
研究員さんたちの目をよくよく見比べると、たしかに、かすかに入っている色が違った。
「まお様の瞳はとても美しい青の瞳ですね」
そういうモルガさんの言葉に、何故か嫌な予感がした。
あたしの目は、発色が良すぎるほど、青い。
思わず呆然としていると、王子がこちらを向いて口を開く。
「魔女は、いつの時代も、一人しかいない。
その位は王族と同等以上とも言えるだろう。 それほど、魔女は特別な存在で、どんな魔法使いよりも強く、魔力は桁外れだ。 そして、まお、お前がその魔女なんだ」
王子の言葉は、右耳から左耳へと抜けていった。
え?
つまり、あたしが最強の魔法使い【魔女】ってこと?
このウェズリアの頂点に立つ?
モルガさんが、あたしを真剣な顔つきで見つめた。
「そして、さっきお話した通り、ウェズリアは今、オスガリアによって危機的状況なのです 女性の方が魔力が強いのですが……なぜか、ウェズリアは女性が少なくて……。 男がいくら頑張っても、魔力の強さでは女性には及ばないのです。
我々は今劣勢に立たされています。だから、最強の魔女に頼ろうと決めました。 けれど、先代の魔女がいなくなり、今のウェズリアには魔女はいないという状況になってしまった。諦め掛けていたそんなとき、あなたが地球にいるとわかった。
魔女である、あなたが……!」
「っっ……!」
モルガさんの声が、今度は胸にずしりと重くのしかかる。
青い目から、視線が離せない……。
「まお」