あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
第二章
04 最悪な王子様
それから放心状態のあたしを王子様(いや、もう呼び捨てしてやる!)カカオは、地下の研究室から引きずりだし、さらにどこかへと問答無用で連れていく。
ひいぃぃい!!
この王子、鬼畜だ!
まるであたしを子猫か何かのように……。
彼の周りを纏うそのオーラがあまりにも怖くて、あたしは黙ってされるがままになっていた。
けれど、地下からでて、いくつかの廊下を抜けたかと思うと、王子は突然止まった。
「…………?」
なにを、するつもり?
カカオは口の中で、何かを呟く。
すると……。
「わっ!」
足もとに、あのときのような魔方陣が現れ、あたしとカカオを中心にして周りに広がっていく。
ただ違うのは、あのときのような紫色の光ではなく、白い光だということ。
「ななな、なにをっ!」
パニックになったあたしとは裏腹に、カカオは平然としてあたしのことを見下ろした。
「黙っておけ。 すぐにすむ」
「えっ」
カカオはあたしの肩を自分の方に引き寄せた。
「あの部屋へ」
カカオがつぶやくと、途端に視界が変わった。