あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
「では、そちらの方は……?」
「こいつは……魔女だ」
カカオがそう言った途端、緩んでいた店主の表情が固まったかと思うと、たちまち目の色が変わる。
そしてあたしを物珍しそうに上から下までじっくりと見つめた。
「魔女様が、いらっしゃったとは……」
驚きを隠せないようで、ずり落ちた眼鏡を中指で押し上げた。
「だから、目利きのいいお前に、まおの『使い魔』を選んでやってほしいんだ」
「わかりました。 また再び、魔女様の『使い魔』を選べるとは……ありがたき幸せ……! 喜んで受けさけていただきます!」
そういうと、店主はまた店の奥に引っ込んだ。
「『使い魔』って、どういうこと?」
勝手に話を進められ、話の意味がわからなかったあたしは、カカオの袖を引っ張った。
するとカカオは、
「そういえば、言ってなかったな」
と、勝手に店内のベンチに座るように促した。