あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
そのままカカオに転送魔方陣で部屋まで送ってもらう。
すると、ようやく腕の中のシュガーが目を覚ました。
あれだけ動き回っていたのに目が覚めないとは……。
「シュガー、大丈夫?」
〈ん~、寝てりゃ治るよ〉
部屋に入るなり、シュガーはベッドの上で丸くなってしまう。
そして、スースーと寝息を立てはじめた。
さっきは男の子の格好してたけど、やっぱり猫なんだなぁ。
そんなシュガーに、思わず笑みがこぼれた。
そういえば、そろそろ夜ご飯だとクコが言っていたはず。
シュガーはぐっすり寝てしまったのであとで何か持ってきてやろう。
再度起きないことを確かめて、夜ご飯を食べに部屋を後にした。
夜ご飯を食べ、お風呂に入って身を清め、部屋に戻る。
ベットの上を見ると先程部屋を後にした時と全く同じ格好でシュガーは寝ていた。
あたしもシュガーの隣に座り、シュガーの黒い毛並みを優しく撫でる。
フワフワと柔らかくて温かいそれは、なぜだかとても安心できた。
シュガーと会えたのも、カカオのおかげなんだよね。
そういえばお礼、言わずにきちゃった。
カカオ、あたしを置いてボルトで帰っちゃうし。
突然護衛隊の隊長たちに挨拶行くことになったから、完全にお礼を言うタイミングを見失っちゃった。
「ふわぁ~……」
なんだか、シュガーを見てたらあたしも眠くなってきちゃった……。
大きな欠伸をしながら、あたしはなんとか身体を動かし、クコが壁のハンガーに掛けておいてくれたのであろう、寝間着に着替えた。
着ていたワンピースを、そのハンガーに掛け、寝間着の掛けてあった場所にかける。
お礼は、明日でいいかな……。
今日はいろいろと疲れちゃったし……。
「ふわ……」
あー、もう限界かも……。
睡魔にあっさり負けたあたしは、気持ち良さように眠るシュガーの横に寝転ぶと、なんとか布団の中に身体を滑り込ませ、そのまま深い眠りに落ちた。