あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。


***


 どこかで、鳥のさえずる声が聞こえる。


 あ、もう朝になったんだ……。


 目をうっすらと開けると、淡いオレンジ色のカーテン隙間から、太陽の光が漏れ出しているのが見えた。


 なんか今日、すっごくあったかい。


 こんなに気持ちいい布団なんて、敷いてあったっけ?


 あたしを包み込むような温かさに、思わずほおずりをしてしまう。


 わ~!


 これ、すっごくスベスベ。


 それに、赤いサラサラの髪が……って。



「ぎゃ━━━っ!!」

「?」



 可愛さのカケラもないあたしの叫び声に、隣にいた人物がのっそりと起き上がった。


 そう、それは……。



「なんで人間になってるの? シュガー!」



 人間の姿をした、シュガーだった。


 昨日は猫のままだったよね?


 シュガーはまだしっかりと目覚めていないのか、赤い髪をぐしゃぐしゃと掻きながら、瞳孔が縦に細長い目をパチパチさせる。



「あー、俺、寝てると人間になっちゃうことあるんだよね……」



「にゃあ~……」なんて、猫らしく欠伸なんてしてるし!


なるほど、魔力が大きすぎて意識しなくても人間に変身しちゃったんだ。


魔力が強大すぎるのも大変なのか……。


 人間になっちゃうのは仕方ないとして……。



「なんで裸なの!?」

「下は履いてるよ」



 シュガーはキョトンとあどけない顔をする。


美少年のキョトン顔、可愛すぎか!


 そりゃ、そうじゃなきゃ困るけど!


 そうじゃなくて!




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