あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。



手で顔を隠そうとするけれど、身体が思うように動いてくれない。


 うわぁ……。


 あたしとは違うムダなお肉のない引き締まった身体。


 華奢で細い美少年であたしとそんなに身長が変わらないと言っても肩幅だって全然違うし、顔が赤くなってしまう。


 
「と、と、と、とにかく、早く服着てー!!」



 ようやく身体がほぐれたあたしには、顔を目一杯背けてそう叫ぶことしかできなかった。


 すると、ポンと音がしてそこには黒猫になったシュガーがいた。



「やっぱりこっちの方がいい……」

〈そうか?〉

「うん、そう」



 男の子慣れしてないあたしには、心臓持たないよ……。



〈まお、お前面白いな!〉

「へっ? 面白い?」



突然シュガーがそんな事を言うので、先程の羞恥心からかマヌケな声が出る。



 その時、コンコンと部屋のドアがノックされた。


 あ、クコかな。



「入ってもよろしいでしょうか」

「いいよ~」

「失礼します」



 丁寧にお辞儀をして入ってきたのは、やはりクコだった。


 やっぱり、メイド服が似合ってる……。



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