あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。
「何事!?」
リカエルさんは攻撃を中断。
あたしもなんとか暴走しそうな魔力を押さえ付け、魔方陣を消す。
クコも混ざって辺りに懸命に視線を送る。
すると。
「あっ、あそこ!!」
あたしの指が指した先。
城から遥か遠く、白煙が上がっているのが見えた。
「あそこは……ウェズリアの南門……! 確か、今あそこは唯一のオスガリアへと行く道。戦争の最前線、オスガリアの者に攻められていたはずです」
リカエルさんは血相を変え、指を空間に滑らせると小さな魔方陣を顔の前に出した。
「カカオ王子、南門の方で白煙と爆発音を見たのですが、なにかあったのですか」
どうやら、小さな魔方陣は電話のような役割らしい。
そして、相手はカカオのようだ。
しばらくリカエルさんはカカオと話し合いをする。
そして、僅かに顔を歪め、魔方陣を消した。
「カカオ、どうだって?」
「城には、問題はないとのことです。 ですが、オスガリアの者が爆弾を使ったとのことで、戦場にいる軍では怪我人が数人出た模様です」
「ッッ……!」
怪我人が……出た?