憎たらしいほど君が好き
「ちっせぇ頃から、ずっと好きだった」

「お、かしいよ…マサくんは霞が好きでしょ」

「あんな奴、遊びに決まってんだろ!」


グッサリと冷たいものが突き刺さった気がした。

《あんな奴》。

《遊びに決まってんだろ》。



わかってる。

分かってる、はず。


視界が滲むのは日光が眩しいからだ。

足がすくむのは疲れたからだ。


違う。

傷ついてなんか、傷ついてなんかない。


私が傷つく訳がない。

私だって遊び。

私だって───。



私の足下でジャリ、と砂が鳴った。


「あ、」

真人と目が合う。









どうしよう、零れる───。

こらえたものは、溢れさせちゃいけない─────。
< 20 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop