憎たらしいほど君が好き
**

「…で。話って?」

中庭で真人に問いかける。

大方、《半端な付き合いはもうやめにしよう》とか《連絡は最小限に》とかそんな所なんだろうけど。

涙までのタイムリミットが刻一刻と迫っているのに、今でも何かを期待してる。

誰よりも愛してほしい、誰よりも───だけど。


それももう終わりだ。


うにゃうにゃ何かを呟いていた真人が、決心したように私に向き合った。


「答えが、出たんだね?」

「ああ」

「そう……そう。で?」


我ながら無愛想な女だ、私は。

見事なポーカーフェイスで返事を待つ。


そして、














「俺と付き合ってくれ」








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