憎たらしいほど君が好き
拍子抜けした。


「それ、どういう…」

「霞だけはいつも傍にいてくれた。霞が俺の味方だった。だから…」

「いいよ。浮気は無しね」

勝利の女神は私に微笑んだみたいだ。


なんて。


勝ち気に笑ってみせたけれど、私の心の中は薔薇色だ。

真人は照れくさそうに笑っている。


「帰ろ?」

躊躇なく指を絡める。

その温かみさえも愛しい。

…やっと。やっと真人と一緒にいられる。





二人で歩く帰り道は、何故だかいつもよりキラキラして見えた。
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