憎たらしいほど君が好き
バスケ部主将、佐久間 真人(Sakuma Masato)。

完璧なるチャラ男。


この間も後輩のレンナちゃんだかレイナちゃんだかに告白されて付き合いだした。

前の彼女と別れた三分後に契約成立したらしく、元カノに成り下がったその子はひどく怒っていた。


『なぁなぁ霞ー』

「ん?」

『やっぱさー俺霞しか本気になれない』

「あ、そ。ありがと」

『冷てぇ』

こういう言い方をするのは早くも別れたという印。


「何。また別れたのー?」

『あー…バレた?』

「真人は分かりやすいもん」

『だってレンナが』

「はいはい、レンナが?」
『キス拒否るから』

「うわ真人クズだ」

『霞ぃ…』


笑いが止まらなくなってしまった。

コイツのゲスさ加減と、そんなゲス野郎を愛している自分に。
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