お伽草子
  なのに運命の悪戯か?はたまた耒架の変わった性格ゆえか?耒架が歩む人生には、音もなくヒタヒタと近づく漠然とした暗雲とも言える男性(ひと)との出会いが待ち構えていた。


  ふと後ろを振り向いた際に一番後ろに座っていた幾分髪が長めで眼鏡をかけた男子生徒と、目が合った。


『あれ?!見かけない子だわ。新入生なのかな?』と耒架は思い、思わずその子の顔を凝視した。


  するとその子は
「僕の顔に何か付いてますか?」
  と幾分怪訝そうに聞いてきた。
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