暗闇の恋
って息込んだけれど旅行から帰ってきて一週間なにもない。
私自身出かけていないから仕方がない。
家にいるか、虎ちゃん家にいるかのどっちかだ。
虎ちゃんと話して正式な結婚は私が卒業するのを待ちたいと言ってくれた。
結婚出来ない歳ではないけれど、しっかり学業をしてほしと言われた。
お母さんに旅行から帰ってきた、その日に虎ちゃんと二人で報告をした。
お母さんは「そう…よかったわね。」と、泣いた。
私の卒業を待って籍を入れたいと虎ちゃんが言ったら、「今すぐ入れたらいいのに…」と笑って言った。
冗談っぽく言ってたけれど、多分本気だったと思う。
「歩!あんた夏休みだからっていつまで寝てるの!?」
昼過ぎベッドで寝転がっていると、下の階からお母さんの怒鳴る声が聞こえた。
私はゆっくり起きて着替えると下に下りた。
「おはよう…」
「おはようって時間じゃないわよ!今日は家に居るの?」
「う〜ん…」
虎ちゃんは昨日から仕事の関係で居ない。
明後日に帰ってくると言っていた。
「理沙に連絡して会えるなら、遊びに行く。」
「そう、お母さんもうすぐしたら仕事行くから戸締まりちゃんとするのよ。あと、どうなったか連絡頂戴ね。」
「うん、わかった。」
バタバタと出掛ける準備をしてお母さんは仕事へと出かけた。
「もしもし…今日何してる?」
「なんもしてないよ。会う?旅行の話聞きたいし。」
「じゃ2時に駅前のいつもの場所で」
「うん、わかった。」
理沙との待ち合わせはいつも駅前のカフェで待ち合わせだった。
お母さんに連絡して、沖縄でのお土産を持って家を出た。
今日も日差しが強くて、外に出てすぐに汗が滲んでくる。
夏は嫌いじゃないけど、この暑さはクラクラしてしまう。
白杖を突きながら照り返しの熱いアスファルトを上を歩いていく。
肌が少しジリジリとしてきた。
日焼け止め塗ればよかったと交差点手前で後悔した。
信号手前で少しでも日差しを避けたくて店の軒下に身を寄せた。
不意にシトラスとムスクの香りがした。
【井伊垣さん?】
手を掴まれ文字を書かれた。
八雲さんだとすぐに気付く。
「八雲さん…」
【会いたかった。】
「私も会いたかった。」
【本当に?】
八雲さんが嬉しそうに指を走らせた。
「確かめたい事があったから…。」
【ここじゃなんだから、何処か入って話さないか?】
「いえ…友達と約束してるから。」
【少しだけでも無理かな?】
時間を確かめる。
少し余裕を持って出てきたから少しは時間がある。
「わかりました。少しだけなら…」
そう言うと八雲さんは私の手を引いて歩き出した。
ずっと触れたいと思ってた手が今私の手を握ってる。
色んな話をしたいと思ってた人が近くにいる。
好きだった人…今は過去の人。
数歩歩いた所で八雲さんは立ち止まると【ここだよ。】と行ってドアを開けた。
すぐさま紅茶のいい香りが漂ってくる。
すぐに虎ちゃんが行く紅茶屋さんだと気付く。
虎ちゃんが出張で居ない事にホッとしてしまう。
席に着くと八雲さんが手を取る。
【飲み物アイスティでいい?】
「はい。」
少しして店員さんが来て注文をした。
【この前は急にごめん…でも、本当の気持ちなんだ。】
「その事はもういいです。ですが、これから私を見かけても知らない…他人でいてください。」
【なんで?一緒に居た男に何か言われたとか?】
「一緒に居た人は…婚約者です。彼は何も言ってません。八雲さんが以前知り合いだったことは言いましたが私を信じてくれてるので深くは何もきかれなかったです。彼を傷付けたくはないので今日みたいに声をかけられるのは迷惑です。」
【僕の気持ちを聞いて何も感じなかった?】
そう言われてカッとなった。
「最初に突き離したのは八雲さんじゃないですか!!」
思い出して辛くなってくる。
【それは…障がいを持った者同士でうまく行く自身がなかったんだ。】
「じゃ今はあるって言うんですか?」
【正直わからない…でも君と一緒に居たいんだ。】
八雲さんは勝手だ。
「じゃまどかさんは?彼女さんですよね!一緒に暮らしてるんですよね?!」
さっきまで動いてた指が止まった。
この人はまだまどかさんと一緒に居る。
「答え出てるじゃないですか!」
【彼女とは別れるから…】
「勝手にしてください。私は彼と結婚します。だから八雲さんがまどかさんと、どうするかなんて私には関係ないです。」
私は言いたい事を伝えた。
鞄を手に取り席を立とうとした。
【待って…君とこれで終わりになんて出来ない。】
「離してください。」
一向に握らてた手が力を緩めてくれない。
【わかった…じゃ諦める為に一日僕にくれないか?】
「なっ…」
【わかってる…君を困らせてることは…でも、お願いだ。】
お願いだ。と書いた文字が震えてた。
心が動く。
「わかりました。一日だけなら。」
【ありがとう。】
「明日…明日ならいいです。その他なら諦めてください。」
【わかった…明日。じゃこの交差点で10時でどうかな?】
「わかりました。」
私は今間違ってる選択をしたかもしれない。
明日と言ったのも虎ちゃんがいないから…。
隠し事を作ってる。
これは言えない。
「じゃ友達待ってるから。」
【明日待ってるから。】
ようやく離してくれた手が熱かった。
10分遅刻して理沙との待ち合わせ場所に着いた。
理沙にも八雲さんとの約束を言えなかった。
疚しいことはしていない。
なのにうしろめたさが湧いてくる。
理沙と色んな話をしたのに何を話したのか記憶になかった。
モヤモヤした気持ちをなくしたかったのに、一層モヤモヤが心を覆い尽くしてしまった。
家に着いて晩御飯を食べる事なく眠りに着いた。
私自身出かけていないから仕方がない。
家にいるか、虎ちゃん家にいるかのどっちかだ。
虎ちゃんと話して正式な結婚は私が卒業するのを待ちたいと言ってくれた。
結婚出来ない歳ではないけれど、しっかり学業をしてほしと言われた。
お母さんに旅行から帰ってきた、その日に虎ちゃんと二人で報告をした。
お母さんは「そう…よかったわね。」と、泣いた。
私の卒業を待って籍を入れたいと虎ちゃんが言ったら、「今すぐ入れたらいいのに…」と笑って言った。
冗談っぽく言ってたけれど、多分本気だったと思う。
「歩!あんた夏休みだからっていつまで寝てるの!?」
昼過ぎベッドで寝転がっていると、下の階からお母さんの怒鳴る声が聞こえた。
私はゆっくり起きて着替えると下に下りた。
「おはよう…」
「おはようって時間じゃないわよ!今日は家に居るの?」
「う〜ん…」
虎ちゃんは昨日から仕事の関係で居ない。
明後日に帰ってくると言っていた。
「理沙に連絡して会えるなら、遊びに行く。」
「そう、お母さんもうすぐしたら仕事行くから戸締まりちゃんとするのよ。あと、どうなったか連絡頂戴ね。」
「うん、わかった。」
バタバタと出掛ける準備をしてお母さんは仕事へと出かけた。
「もしもし…今日何してる?」
「なんもしてないよ。会う?旅行の話聞きたいし。」
「じゃ2時に駅前のいつもの場所で」
「うん、わかった。」
理沙との待ち合わせはいつも駅前のカフェで待ち合わせだった。
お母さんに連絡して、沖縄でのお土産を持って家を出た。
今日も日差しが強くて、外に出てすぐに汗が滲んでくる。
夏は嫌いじゃないけど、この暑さはクラクラしてしまう。
白杖を突きながら照り返しの熱いアスファルトを上を歩いていく。
肌が少しジリジリとしてきた。
日焼け止め塗ればよかったと交差点手前で後悔した。
信号手前で少しでも日差しを避けたくて店の軒下に身を寄せた。
不意にシトラスとムスクの香りがした。
【井伊垣さん?】
手を掴まれ文字を書かれた。
八雲さんだとすぐに気付く。
「八雲さん…」
【会いたかった。】
「私も会いたかった。」
【本当に?】
八雲さんが嬉しそうに指を走らせた。
「確かめたい事があったから…。」
【ここじゃなんだから、何処か入って話さないか?】
「いえ…友達と約束してるから。」
【少しだけでも無理かな?】
時間を確かめる。
少し余裕を持って出てきたから少しは時間がある。
「わかりました。少しだけなら…」
そう言うと八雲さんは私の手を引いて歩き出した。
ずっと触れたいと思ってた手が今私の手を握ってる。
色んな話をしたいと思ってた人が近くにいる。
好きだった人…今は過去の人。
数歩歩いた所で八雲さんは立ち止まると【ここだよ。】と行ってドアを開けた。
すぐさま紅茶のいい香りが漂ってくる。
すぐに虎ちゃんが行く紅茶屋さんだと気付く。
虎ちゃんが出張で居ない事にホッとしてしまう。
席に着くと八雲さんが手を取る。
【飲み物アイスティでいい?】
「はい。」
少しして店員さんが来て注文をした。
【この前は急にごめん…でも、本当の気持ちなんだ。】
「その事はもういいです。ですが、これから私を見かけても知らない…他人でいてください。」
【なんで?一緒に居た男に何か言われたとか?】
「一緒に居た人は…婚約者です。彼は何も言ってません。八雲さんが以前知り合いだったことは言いましたが私を信じてくれてるので深くは何もきかれなかったです。彼を傷付けたくはないので今日みたいに声をかけられるのは迷惑です。」
【僕の気持ちを聞いて何も感じなかった?】
そう言われてカッとなった。
「最初に突き離したのは八雲さんじゃないですか!!」
思い出して辛くなってくる。
【それは…障がいを持った者同士でうまく行く自身がなかったんだ。】
「じゃ今はあるって言うんですか?」
【正直わからない…でも君と一緒に居たいんだ。】
八雲さんは勝手だ。
「じゃまどかさんは?彼女さんですよね!一緒に暮らしてるんですよね?!」
さっきまで動いてた指が止まった。
この人はまだまどかさんと一緒に居る。
「答え出てるじゃないですか!」
【彼女とは別れるから…】
「勝手にしてください。私は彼と結婚します。だから八雲さんがまどかさんと、どうするかなんて私には関係ないです。」
私は言いたい事を伝えた。
鞄を手に取り席を立とうとした。
【待って…君とこれで終わりになんて出来ない。】
「離してください。」
一向に握らてた手が力を緩めてくれない。
【わかった…じゃ諦める為に一日僕にくれないか?】
「なっ…」
【わかってる…君を困らせてることは…でも、お願いだ。】
お願いだ。と書いた文字が震えてた。
心が動く。
「わかりました。一日だけなら。」
【ありがとう。】
「明日…明日ならいいです。その他なら諦めてください。」
【わかった…明日。じゃこの交差点で10時でどうかな?】
「わかりました。」
私は今間違ってる選択をしたかもしれない。
明日と言ったのも虎ちゃんがいないから…。
隠し事を作ってる。
これは言えない。
「じゃ友達待ってるから。」
【明日待ってるから。】
ようやく離してくれた手が熱かった。
10分遅刻して理沙との待ち合わせ場所に着いた。
理沙にも八雲さんとの約束を言えなかった。
疚しいことはしていない。
なのにうしろめたさが湧いてくる。
理沙と色んな話をしたのに何を話したのか記憶になかった。
モヤモヤした気持ちをなくしたかったのに、一層モヤモヤが心を覆い尽くしてしまった。
家に着いて晩御飯を食べる事なく眠りに着いた。