私の恋友達以上◯未満
時は過ぎ、

私は夏と冬に行く、名古屋が楽しみだった。

中々話すことが無かった母方のイトコなのだが

高校生の時の祖母の葬式がきっかけで

連絡するようになり

東京で一人は寂しいだろうからと

夏、冬おばさんが名古屋によんでくれた。

ずっと近くにいた従兄弟達は

兄ちゃんか弟しかいなかったから、

従兄弟同士のタメに憧れていた私はHAPPY。


イトコだから、いつかは話せる日が来るだろう

と思っていたが、本当にそうゆう日が来るとは

思っていなかった(笑。

タメイトコの章(しょう)は

一言で言うならガキ大将。

優しくて、ちゃんと寄り添ってくれる安心感。

私が思う事を感じとってくれるし居心地がいい。

「未幸と章が、結婚しちゃえばいいのにー」

なんて言われるくらい仲が良い関係に。

「あんた達イトコじゃなかったら、どうなってたかねー

未幸みたいな人が嫁に来て欲しいな〜」

あーもう、そう言ってもらえただけで私は十分。


好きな人がこんなタイプだったらいいのに。

自分の存在を認めてくれて

必要とされているそんな感覚。

互い甘えて甘えられる関係。

気づいたら大好きで、心の支えになるような。


結構五年とか好きだったな。

会いにいけるなら色々な理由を使った。


「姉ちゃんのそんな甘えた姿みたことない」

母に、そうまで言わすほど名古屋は私にとって特別。

絶対自分の味方でいてくれる、離れていくことのない人。

‘従兄弟だから’という縁の切れることのない安心感も

今までとは違っていたのかもしれない。

遊びに行くとただ居てくれた事が嬉しくて、

私が好きな物も知ってくれている。

そんな中の良い二人に慌てたのか

周りは、危機を感じお似合いだとは言わなくなった。


章は社会人になって少したった頃

好きな人が出来たと話してくれた。

‘付き合おうか迷っている’って・・・


とうとうきたか!!
ショックというよりかは、まず私に話してくれたことの方が嬉しかった。

もちろん、私は章の背中を押した。


私には決して辿り着けない場所。

今まで与えられたこの場所はとても幸せだった。

寂しいけど嬉しいこと。


あー、ここがタイミングかな。


私が次に進むタイミング。


そのタイミングで両親が東京に出てきたから

名古屋には行く機会&理由がなくなった。


そして、3年後。

章から結婚相手を紹介された。


私がこの子だったらいいな~

と思っていた女の子だった。

あの時、章から相談を受けた女の子。


・・・また居場所を見つけなきゃ。


私にとって恋をするということは

‘自分らしくいられる居場所’を

みつけることなのかもしれない。




< 10 / 27 >

この作品をシェア

pagetop