ハコイリムスメ。
「あれ…あの人さぁ」
「あたしも思ったぁ!!違うかな?」

………なんだってんだよ。

待ち合わせの時計台のベンチに座っていたら、あっちでチラチラ、こっちでチラチラ…

気のせいか?見られてる。

「やっぱそうじゃない?」
「訊いてみるー?」

美佐遅ぇ…
昨日キレてたからなぁ、来ないかもわかんねーし…

ワンセグでも見て時間を潰そうと、ケータイを開いた。

カチカチカチ。

昼のワイドショーが映る。

「…………えー…」

なんで?
また?

「俺…」

ハナダレイコって何者?







「ちとせ~!!お待たせッ!!」

向こうからパタパタ、美佐が走ってくる。
遅刻15分。

「遅れたうちに入んねーよ」
「わ、やさしー!!どうしたの、あ」

俺が手にしたケータイを覗きこんで、ふくれる。

「そぉだ!!文句言おーって決めてたんだった」
「こんなのさぁ、別に」



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