ハコイリムスメ。
まるで写真のような、見事なひまわりだった。
殺風景な(眺めは良いんだけどね)ベランダにポツンと一株。寂しくも健気に、ピンと顔を上げて……
吹き抜ける風が、花びらを今にも揺らしそうだった。
「こ…これ」
ポカンとして眺める俺の腕に横からしがみついて、一生懸命に説明し出す葵。
「あのね、サトくんがね、すけっちぶっくと、いろ…色鉛筆?買ってきてくれてね、だから私、ひまわり描いたの」
それから、上手でしょ?って得意気に笑う。
もー、下手とか上手とか、そういう次元じゃない。
「天才!!すげぇ、うん、すんっごく上手!!」
俺がそう言って、ワシャワシャと髪をかき混ぜるかのように頭を撫でると、「くすぐったいよー」と満足げに葵が笑った。
明日の買い物のとき、絶対絵の具と筆を買ってやろうと決めた。
その向こうにテレビがあって、お騒がせアイドルが写ってた。
「…………あー…」
「ん?」
「なんでも無いよ」
美佐の言う通り、花田レイコは「今一番人気のアイドル」らしかった。
殺風景な(眺めは良いんだけどね)ベランダにポツンと一株。寂しくも健気に、ピンと顔を上げて……
吹き抜ける風が、花びらを今にも揺らしそうだった。
「こ…これ」
ポカンとして眺める俺の腕に横からしがみついて、一生懸命に説明し出す葵。
「あのね、サトくんがね、すけっちぶっくと、いろ…色鉛筆?買ってきてくれてね、だから私、ひまわり描いたの」
それから、上手でしょ?って得意気に笑う。
もー、下手とか上手とか、そういう次元じゃない。
「天才!!すげぇ、うん、すんっごく上手!!」
俺がそう言って、ワシャワシャと髪をかき混ぜるかのように頭を撫でると、「くすぐったいよー」と満足げに葵が笑った。
明日の買い物のとき、絶対絵の具と筆を買ってやろうと決めた。
その向こうにテレビがあって、お騒がせアイドルが写ってた。
「…………あー…」
「ん?」
「なんでも無いよ」
美佐の言う通り、花田レイコは「今一番人気のアイドル」らしかった。