ハコイリムスメ。
外出
「うあー、失敗だな…」
「涼しいー」
げんなり、俺。
ニコニコ、葵。
この差は、何だ?
日曜の朝。
駅前のコンビニには、予想以上に人がいて、おにぎりの棚はほとんど空。
蛍光灯の白い光が、何もない空間をむなしく照らし続けていた。
パンの棚も似たり寄ったりで、やれやれと首を振り、
とりあえずガムとウーロン茶を左手にレジに立った。
右手は当然のごとく、葵を掴まえて。
そうしないと、人波に流されそうだったから。
マニュアル通りの「ありがとうございましたー」と笑顔に送り出されて、夏の蒸した空気の世界に戻る。
あてが外れたので、葵に問う。
「なー、葵ー何食べたいー?」
「えっとー…」
少女はキョロキョロと周囲を見渡す。その彼女の目に、留まったもあった。
視線の先には、全国チェーンで24時間営業の牛丼屋。
「牛丼でいーの?」
「うん?ぎゅーどん?」
………あり?
まだ作ったことなかったっけ、俺?
「よっしゃ、牛丼デビューな」
手を引いて、スクランブル交差点を渡った。
「涼しいー」
げんなり、俺。
ニコニコ、葵。
この差は、何だ?
日曜の朝。
駅前のコンビニには、予想以上に人がいて、おにぎりの棚はほとんど空。
蛍光灯の白い光が、何もない空間をむなしく照らし続けていた。
パンの棚も似たり寄ったりで、やれやれと首を振り、
とりあえずガムとウーロン茶を左手にレジに立った。
右手は当然のごとく、葵を掴まえて。
そうしないと、人波に流されそうだったから。
マニュアル通りの「ありがとうございましたー」と笑顔に送り出されて、夏の蒸した空気の世界に戻る。
あてが外れたので、葵に問う。
「なー、葵ー何食べたいー?」
「えっとー…」
少女はキョロキョロと周囲を見渡す。その彼女の目に、留まったもあった。
視線の先には、全国チェーンで24時間営業の牛丼屋。
「牛丼でいーの?」
「うん?ぎゅーどん?」
………あり?
まだ作ったことなかったっけ、俺?
「よっしゃ、牛丼デビューな」
手を引いて、スクランブル交差点を渡った。