ハコイリムスメ。
「早すぎる」





満面の笑みで『やまぶき』の部屋に入った俺を、さっちゃんの冷たい言葉が殴った。


な、なかなかやるな……!!
ナイスパンチ、KO負け!!


頭の中で、ゴングがカンカン鳴った。




「そーゆーなって!!遅れるよか、よっぽど良いだろー?」
「口答えしない」
「………ハイ」

ソファーの上で、身を縮めた。


葵には、とりあえずロビーで待っててもらっている。
今日はいちごみるくを飲みながら。


「………で、葵ちゃんの様子は?」
「あ?…ああ、うん。なつかれてるよ俺」
「あーそう…良かった。他の人と接点はあるの?」

何やら書類に走り書き。

くそー、太陽の光の角度が…
俺の席からじゃ、反射して読めねーや。

「サト、わかる?」

走り書きのことは取りあえず置いておいて、逆に問う。
さっちゃんは、えぇと…と呟き、直ぐに言った。

「峰島君でしょ?わかるよ」
「うん、サトには全部話した。家の鍵もやった。葵はサトにも大分慣れてきてるよ」
「彼なら、まぁいいわ…信用してるんでしょう?」
「当たり前」

親友だもの。


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