ハコイリムスメ。

三人の親子は、快速電車が来るとそれに乗り込んだ。

サトの家に近い駅は、快速だととばされてしまうので、俺は次に来る各駅に乗る。

りなちゃんは俺に手を振った。
にこにこ、純真無垢で温かな笑顔。
俺も、振り返す。

笑えてる、って確信を持って。



それから2、3分後に、アナウンス。

「まもなく、7番線に各駅停車が参ります…白線の内側にさがってお待ちください…」


条件反射的に、半歩後ろに下がった。






きっと、ばれてたんだ。



俺の中の真っ黒な気持ち、とか、嫌なもの全部。

押しつぶされそうに見えたのだろうか?







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