ハコイリムスメ。
─────と思ってここに着いてから、うん、30分は軽く過ぎたよね。


インターホンのボタンを押そうとする人差し指が、いうことを聞かない。

なんだこれ、バカ、俺の指。

時間が経つにつれて、ますます押しにくくなる。




そんな時だった。



「あり?ちとせさんじゃないすか?」



トオル──────────!?

「ば、声がでけえよ!!」
「へ?何言ってんすか、てか、何してんすか。中入ってくださいよ!!」

トオルは半ば強引に俺を玄関に連れ込んだ。

「今、兄貴呼んできますから!!」



をいをーい!

小さな親切大きなお世話って言葉を知れ!!

てか頼むからやめてくれ!



俺はトオルが奥に行った隙に、玄関を出よう、んでもってひとまず逃げようと試みた。




ところが。




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