ハコイリムスメ。
俺は、今からのサトとの会話を、葵にだけは聞かせたくないと思った。

守るって思ったのは、生半可な意味じゃないってこと。
そう、それこそ、とことん。
必要なら、俺から遠ざけなくちゃいけないとも思う。


「よー、どうした?」


サトは至って普通に登場した。

まあ、そりゃあそうでしょうけど。
ココ、サトんちだもん。俺が変な登場の仕方(強引に?)したのは、問題だけど。


「じゃ、俺コンビニ行ってくるー。ちとせさん、ごゆっくりー…ちょ、兄貴じゃま。どけよ」

俺たちの横を通って、玄関を出て行くサトル。
元気な少年?




「メールくれれば迎え行ったのに。迷わなかったのかよ」

サトはあはは、と笑った。
いつも通りの親友の姿に、やっぱり美佐の話は嘘なんじゃないかって思ってみたり。

「ま、まあ…てか、何回来てると思ってんだよ」

それもそうか、とサトは微笑した。

「あー…あ、上がる?それとも渡里帰ったん?葵ちゃんの迎え?」

「………」

答えられない俺。



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