ハコイリムスメ。
…まあ、いくらなんでも昼休み終われば出て行くだろう。
確か、午後は全校集会のはずだ。

変な学校。もうすぐ夏休みでそしたらどうせ終業式のために集まるのに。
急な連絡事項でもあんのかな。


日陰に移動しながら、そんなことを考えた。



(「ちーとせ!もー、なんで置いてくの!?今日のお弁当、頑張ったって言ったのに!」)
(「え?ああ、ごめん…買っちゃったし、パン」)
(「はあ!?てかなんで峰島がいるの!?」)
(「天気いいから、外行こうぜってちとせが」)
(「ちとせー!!」)


こんな場所にも見えた、俺たちの日常。
あそこで笑ってるのは、本当に俺だったのか。


なんて、大袈裟?
たかだか親友1人無くしたぐらいでってか。






なんだかんだ言って、いつも3人で来ていた場所に、到着。
俺と、サトと、美佐の場所。

特別等と本校舎の位置の関係で、12時以降日陰になるここにもベンチが置いてあった。
でも、この場所はちょっと目立たなくて、だからここのベンチの存在を知っている奴は少ない。
仮に見つけたとしても、常に「ペンキ塗りたて」の紙が張ってあるから、誰も座ろうとしない。

…この紙、実は俺が貼ったものだ。

定期的に取り替えてはいるけど、とにかく貼ってるのは俺。
だってそうしておけばいつでも座れる。
貼ったとき、お前悪知恵働くよなってサトが笑ったのを思い出して、一瞬思考が止まった。







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