ハコイリムスメ。
トントントントントントン…
鍋でお湯を沸かしている間に、まな板で梅干しをみじん切りにして、叩く。
小皿によけて、ネギを刻む。
「これ、サト君よね?」
さっちゃんの言葉で、動きをとめた。
同時に「トントン」という音も止み、さっちゃんが
「どーしたの?」
と言った。
俺は包丁を置いた。
そのまま葵のところにいって、その「新作」をちらっと見る。
気まずそうに目を伏せた、でも確かに「峰島サトル」の姿。
俺は感情のこもっていない無機質な目をさっちゃんに向けると訊ねた。
「…さっちゃん、なんでサトの顔知ってんの」
「…別に」
「別にって何?訊いてんだから答えてくれたっていいんじゃねーの」
鍋が、噴きこぼれたらしい。
ジュジャー…という音がしたので、慌ててキッチンに戻った。
鍋でお湯を沸かしている間に、まな板で梅干しをみじん切りにして、叩く。
小皿によけて、ネギを刻む。
「これ、サト君よね?」
さっちゃんの言葉で、動きをとめた。
同時に「トントン」という音も止み、さっちゃんが
「どーしたの?」
と言った。
俺は包丁を置いた。
そのまま葵のところにいって、その「新作」をちらっと見る。
気まずそうに目を伏せた、でも確かに「峰島サトル」の姿。
俺は感情のこもっていない無機質な目をさっちゃんに向けると訊ねた。
「…さっちゃん、なんでサトの顔知ってんの」
「…別に」
「別にって何?訊いてんだから答えてくれたっていいんじゃねーの」
鍋が、噴きこぼれたらしい。
ジュジャー…という音がしたので、慌ててキッチンに戻った。