ハコイリムスメ。
「あはは、葵ちゃん寝ちゃったんだ?」

風呂上がりのさっちゃんが、ソファーで眠る葵を見て笑った。
っていうか、どうでもいいけど。

「さっちゃんさ、なんで?あんで風呂なんか入ってくわけ?まさか泊まる気?」
「うん」
「はあ!?」
「いいじゃん。どうせ部屋余ってんでしょー。たっく贅沢なのよ、学生の分際で!私だって1LDKなのに!しかも何よあのお風呂!ジャグジー付とか!」
「うるっさいなあ」


いいだろ。
俺は「これ」しか持ってないんだから。


「…さっちゃんさあ、何の用だったわけ?」
「はあ?だからそうめんを」
「嘘つけよ。ばれてるって」

しらじらしい。

「どうせ何か探りに来たとかそんなとこだろ?誰に頼まれたんだよんなこと。サトか?だったらなあ、言っといてくんない?お前に干渉される筋合いねえって」




< 279 / 465 >

この作品をシェア

pagetop