ハコイリムスメ。
そもそも、おかしいと思ってたんだ。

さっちゃんちから4駅も離れてる俺んちにわざわざ来るよりも、自分ちでそうめんでもなんでもやった方が楽に決まってる。


明日平日で仕事あるだろうに、わざわざ施設から遠いここに泊っていくなんて妙だ。


「っていうか、さっちゃんもさあ、なんで隠すんだよ。サトが行ってるってこと、俺もう知ってんだけど」

「…」

「葵が起きてる前で言うつもりなかったけどさ、寝ちゃったし。だから言うけど、余計なおせ」

「アンタって、」



俺のぐだぐだと続こうとしていた文句は一瞬にして止められた。
さっちゃんが怒っているとも泣きそうともとれる、見たこともない目をして俺に語りかける。


「………大馬鹿よね」






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