ハコイリムスメ。
「ちとせくーん、こんなの食べない?」
おばちゃんが階段の下から俺を呼んだ。
こんなのってなんですかー?と訊こうと思ったら、サトが先に「こんなのじゃわかんないってよ」と下に向かって言った。
「あら、ごめんねー。この前お向いの山中さんが旅行に行ったとかでね、果物ゼリー。よーく冷えてるわよ~?」
サトと顔を見合わせた。
「食ってけば」
「おう」
ここも、俺の場所。
俺の居場所。
トオルもサトの部屋にやってきて、俺たちは3人で良く冷えたゼリーを食べながら、サイダーを飲んだ。
風呂上がりのサイダーは最高っすよ!と満足げに笑うトオルからは、昼間の不安げな影が見事に消えていた。
「そういやお前、髪切った?」
「遅えよ気付くの」
「ちとせさんっていつもどこで切ってるんですか?」
「駅前の『orange』ってとこ」
「げ!あのめっちゃ高額な!」
「コイツ何気金持ちだからー」
さっちゃんの話を聞く前には考えもしなかったほどの穏やかな心地良さが、俺を取り巻いていた。
おばちゃんが階段の下から俺を呼んだ。
こんなのってなんですかー?と訊こうと思ったら、サトが先に「こんなのじゃわかんないってよ」と下に向かって言った。
「あら、ごめんねー。この前お向いの山中さんが旅行に行ったとかでね、果物ゼリー。よーく冷えてるわよ~?」
サトと顔を見合わせた。
「食ってけば」
「おう」
ここも、俺の場所。
俺の居場所。
トオルもサトの部屋にやってきて、俺たちは3人で良く冷えたゼリーを食べながら、サイダーを飲んだ。
風呂上がりのサイダーは最高っすよ!と満足げに笑うトオルからは、昼間の不安げな影が見事に消えていた。
「そういやお前、髪切った?」
「遅えよ気付くの」
「ちとせさんっていつもどこで切ってるんですか?」
「駅前の『orange』ってとこ」
「げ!あのめっちゃ高額な!」
「コイツ何気金持ちだからー」
さっちゃんの話を聞く前には考えもしなかったほどの穏やかな心地良さが、俺を取り巻いていた。