ハコイリムスメ。
ケータイを閉じて、もう一度後方の壁にかけてある時計を振り仰いだ。
時計に意識を向けたから、カチカチと秒針が動く音が聴こえた。
10時23分41秒。
約束の2時までには、まだたっぷり3時間以上ある。
やれやれと首を振ったら、小さな鉢からまっすぐに伸びたひまわりの黄色が目についた。
「おー、…咲いたのか」
天気がよく、風通しもなかなかだった。
エアコンは止めてから寝る主義の俺は、柔らかに揺れる青いカーテンを見ていた。
まだ完全に開いていないひまわりを日光に当ててやろうと、ベランダに出して、それから乾いた土に気付いた。
空のペットボトルに水を汲み、土に染み込ませた。
…腹減ったな。
土が薄茶から濃い茶色になるのを見ていたら、唐突に思った。
考えてみれば、夕飯を食べた記憶がない。
少女の夕飯のことまでは知らないが、彼女も朝は食べてないはずだ。
「腹減らない?」
呼び掛けてみる。
少女は顔を上げた。
(何かしゃべんねーかな)
期待しながらしばらく見つめていたのだけれど、無反応。
「………減ってるよな。よし、なんか作るから」
勝手に肯定ととって、フライパン片手にキッチンに立った。
夕べ見た光景が、忘れられなくて。
キツく言ったら、彼女がどうなってしまうのか、ただ不安だった。
……だから無難に、飯を出すことにしてみた。
時計に意識を向けたから、カチカチと秒針が動く音が聴こえた。
10時23分41秒。
約束の2時までには、まだたっぷり3時間以上ある。
やれやれと首を振ったら、小さな鉢からまっすぐに伸びたひまわりの黄色が目についた。
「おー、…咲いたのか」
天気がよく、風通しもなかなかだった。
エアコンは止めてから寝る主義の俺は、柔らかに揺れる青いカーテンを見ていた。
まだ完全に開いていないひまわりを日光に当ててやろうと、ベランダに出して、それから乾いた土に気付いた。
空のペットボトルに水を汲み、土に染み込ませた。
…腹減ったな。
土が薄茶から濃い茶色になるのを見ていたら、唐突に思った。
考えてみれば、夕飯を食べた記憶がない。
少女の夕飯のことまでは知らないが、彼女も朝は食べてないはずだ。
「腹減らない?」
呼び掛けてみる。
少女は顔を上げた。
(何かしゃべんねーかな)
期待しながらしばらく見つめていたのだけれど、無反応。
「………減ってるよな。よし、なんか作るから」
勝手に肯定ととって、フライパン片手にキッチンに立った。
夕べ見た光景が、忘れられなくて。
キツく言ったら、彼女がどうなってしまうのか、ただ不安だった。
……だから無難に、飯を出すことにしてみた。